防音マットの選び方|子どもの足音に効く等級とおすすめ4商品
子どもの足音が下の階に響かないよう防音マットを探すと、「最強」「LL-35」「ΔLL-6」といった表示が並び、どれを選べばいいのか迷いますよね。値段も厚さも、商品ごとにばらばらです。
防音マットの効き目を比べる物差しは、メーカーが公表している等級と、敷き方。ただし、走る・跳ぶ重い音はマットだけでは消しきれません。
この記事では、日本建築総合試験所が定めた等級の表し方と国土交通省の資料、各メーカーの公表値を照らし合わせて、子どもの足音に使う防音マットの選び方をまとめました。賃貸の床を傷めない敷き方まで紹介します。

- 防音マットで下がる足音と下がりにくい足音
- ΔLL・LL値の見方と「最強」表示の読み解き方
- 等級が公開されている防音マット4つの比べ方
- 賃貸の床を傷めない敷き方と買う前の確認
子どもの足音に効く防音マットの選び方

「防音」とうたうマットは多くても、効き目を比べる手がかりは等級です。最初に結論を出し、続けて音の種類、等級の読み方、マットの種類の違いを順に見ていきましょう。
結論:等級が書かれた厚手のマットを走る場所から敷く
子どもの足音対策に防音マットを選ぶなら、ΔLL(またはLL値)の等級が書かれた厚手のマットを、走る通り道と跳ぶ場所からすき間なく敷くのが近道です。物を落とす音やかかとで歩く音は下がりますが、走る・跳ぶドスンという重い音は和らげる程度にとどまります。
選ぶときの目安は、ΔLL(I)-4以上。古い表し方しかない商品なら、LL-45か、それより小さい数字のものを選びます。等級の数字と敷く範囲で効き目が決まり、重い音は暮らし方と組み合わせて減らすと考えておくと、何を買うかで迷いません。
| こんなとき | 向いているマット | 選ぶときの目安 |
|---|---|---|
| 手持ちのラグやカーペットがある | 下敷き用マット(ラグの下に敷く) | ΔLL(I)-4以上 |
| 部屋ごと対策したい・汚れたら洗いたい | タイルカーペット | 等級の表示があるもの(LL-40など) |
| 費用をかけても軽い音を最大限下げたい | 厚手のタイル、または下敷きとの重ね敷き | ΔLL-6前後の表示 |
| 走る・跳ぶ重い音が気になる | マットは和らげる程度 | 遊び方と時間のルールを合わせる |
出典:日本建築総合試験所の報告書(2008年3月)と各メーカーの公式の商品ページ(2026年10月21日確認)をもとに作成
マット選びと並行して、跳ぶ場所と時間の決め方や、下の階への伝え方も大切になります。足音全体の考え方は、子どもの足音対策の記事にまとめました。
防音マットで下がる音と下がりにくい音
床を伝わる足音には2種類あります。建築研究所の資料では、スプーンを落とす音やスリッパで歩く音を「軽量床衝撃音」、飛び跳ねる・走り回る音を「重量床衝撃音」と分けています。
防音マットがはっきり効くのは、軽いほう。国土交通省のハンドブックでも、住宅用のマットの性能は、軽い音の試験で確かめるのが一般的とされています。
重い音は、床そのものが揺れて下の部屋に響くもの。上に何かを敷いても揺れは止めきれず、和らげる程度と考えておくほうが安全でしょう。メーカーの中にも、重い音はマットだけでは完全には防げないと書いているところがあります。
もう一つ、話し声やテレビの音は空気を伝わる音なので、床のマットでは防げません。泣き声が気になるなら、窓を閉める、寝る部屋を変えるといった別の対策が向いています。
ΔLL・LL値の見方と「最強」表示の読み解き方
防音マットの性能を比べるときに、まず見たいのが「ΔLL」。2008年に日本建築総合試験所の委員会がまとめた表し方で、床材を敷いたときに軽い音がどれだけ下がるかを、床材そのものの性能として示します。
基本はΔLL-1〜5の5段階。数字が大きいほど音がよく下がります。報告書では、さらに性能の高いものを5dB刻みで延ばして「ΔLL(I)-6」などと表すこともできるとされていて、商品で見かける-6や-7の表示はこの延長です。
「(I)」は、カーペットのような軟らかく薄い床材の区分。防音マットの多くはこちらに入ります。重い音の下がり方を表す「ΔLH」もありますが、表示している防音マットは多くありません。
| 表示 | 何を表すか | 良いのは | 商品の例 |
|---|---|---|---|
| ΔLL(I)-1〜5(-6以上は延長) | 床材を敷いて、軽い音がどれだけ下がるか | 数字が大きいほど | 山善 ΔLL(I)-6、足音マット ΔLL-4 |
| ΔLH(I)-1〜4 | 床材を敷いて、重い音がどれだけ下がるか | 数字が大きいほど | 表示しているマットは少ない |
| LL-45・LL-40・LL-35 | 古い表し方(推定L等級)。コンクリートの床に敷いた条件で見込んだ、音の伝わりにくさ | 数字が小さいほど | 静床ライト LL-40、MUTE LL35 |
出典:日本建築総合試験所「床材の床衝撃音低減性能の表現方法に関する検討委員会 報告書」(2008年3月)と各メーカーの商品ページをもとに作成
気をつけたいのは、LLとΔLLで数字の向きが逆なこと。LL-35のほうがLL-40より良く、ΔLL-6のほうがΔLL-4より良い、という読み方になります。
報告書では、マンションの管理規約によくある「推定L45等級以上」を、「ΔLL(I)-4等級以上」に置き換えるのが適切とされています。古い表示しかない商品は、LL-45がΔLL(I)-4の目安で、LL-40やLL-35はそれより上と考えると比べやすいでしょう。
「最強」「特級」といった言葉には、決まった基準がありません。比べるときは言葉ではなく、等級の数字と、試験の条件(第三者機関か、どの規格に沿ったか、何枚重ねたか)が書かれているかを見ます。
ラグ・タイル・下敷き・ジョイントの違い
防音マットは、形で大きく4つに分かれます。同じ「防音」でも得意なことが違うので、部屋の使い方に合わせて選びたいところ。
- 防音ラグ・防音カーペット:1枚で広く覆える。敷きっぱなしにする部屋向きで、丸ごと洗うのは大変
- タイルカーペット:50cm角などのタイルを並べる。汚れた所だけ外して洗え、部屋の形に合わせやすい
- 下敷き用マット:手持ちのラグやカーペットの下に敷く。目立たず、上に敷く物を選ばない
- ジョイントマット:薄いものは、主に転んだときのけがや床の傷を防ぐ役目。足音のためなら厚手で等級のあるものを
下敷き用マットは、単体で上を歩く物ではありません。たとえば山善の防音マットは、ラグやカーペットの下に敷いて使う商品とはっきり書かれています。
買う前に商品ページで見る3つのこと
等級:ΔLL(またはLL値)の数字が書かれているか
試験の条件:第三者機関で測ったか、どの規格に沿ったか、何枚重ねた値か
使い方:床暖房に使えるか、すべり止めがあるか、単体で使えるか
等級で比べたおすすめマットと組み合わせ方

等級の読み方が分かったら、実際の商品で比べてみましょう。メーカーが等級を公表している4つを取り上げ、条件ごとの選び方と、重ねて敷くときの考え方を順にまとめます。
等級が公開されている4商品を比べる
メーカーが等級を公表している防音マットから、種類の違う4つを選びました。等級や大きさは各社の公式の商品ページによるもので、2026年10月21日時点の内容。改良などで変わることもあります。
| 商品 | 種類 | 厚さ・大きさ | 公表している等級 | 6畳に使う量の目安 | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 山善 ふっくら防音マット(FBM15-2) | 下敷き | 15mm・85×180cmが2枚(2畳相当) | ΔLL(I)-6(LL-35相当)。単体・第三者機関で試験 | 2畳相当のセットを3つ(上に敷くラグは別) | 手持ちのラグの下に敷く |
| ピアリビング 足音マット | 下敷き | 7mm・50×100cm | ΔLL-4 | 上に敷くラグの大きさに合わせて決める | ラグやジョイントマットの下に敷く |
| 静床ライト | タイルカーペット | 9.5mm・50×50cm(10枚で2.5㎡) | LL-40(コンクリートの床の厚さ150mmの条件) | 約40枚(販売元の案内) | 部屋ごと敷く・汚れた所だけ洗う |
| MUTE 防音専科 | 厚手のタイル | 17.5mm・50×50cm | LL35(ΔLL-6)。単体 | 約48枚(公式の案内) | 費用をかけても軽い音を最大限下げたい |
出典:山善・東京防音・ピアリビング・MUTEの公式の商品ページ(2026年10月21日確認)をもとに作成
手持ちのラグを生かすなら、いちばん手軽なのは山善のふっくら防音マットです。ラグの下に敷くだけで、メーカーは単体でΔLL(I)-6(LL-35相当)を取ったとしています。はさみで切れて、床暖房やホットカーペットにも対応。
ただし、ラグやカーペットの下で使う前提の商品です。ホコリや結露で滑りやすくなるので、急に飛び乗らないよう注意書きがあります。上に敷くラグは、マットを覆える大きさのものを選ぶと安心でしょう。
もっと薄くて目立たない下敷きなら、ピアリビングの足音マットも候補に入ります。厚さ7mmで、ΔLL-4を取ったと書かれています。滑り止めがないため、吸着テープや見切り材でずれないようにするのが販売元のすすめ。
湿気の多い場所ではカビに気をつけること、床暖房との併用はすすめていないことも、覚えておきたい点です。
部屋ごと敷くなら、タイルカーペットの静床ライトの10枚セットがわかりやすい選択肢。50cm角なので、汚れた1枚だけ外して洗えるのが、子育て中にはうれしいところです。6畳でおよそ40枚が目安になります。
表示はLL-40(コンクリートの床の厚さ150mmの条件)で、ΔLLの表示はありません。販売元のピアリビングは、足音マットと重ねて敷く使い方もすすめています。
MUTE 防音専科は、厚さ17.5mmの厚手のタイルで、LL35(ΔLL-6)を単体で取ったとしています。6畳でおよそ10万円と高めで、公式サイトなどで売られている商品。メーカー自身も、話し声やテレビの音はマットでは対策できず、重い音もマット単体で完全に防ぐのは難しいと書いていました。
どの等級もメーカーの公表値で、試験の条件まで同じとは限りません。買う前には商品ページで、最新の等級と注意書きを確かめておくと安心です。
手持ちのラグを生かすか部屋ごと敷くかで選ぶ
どれを選ぶかは、今の部屋の状態で決めるのがいちばん簡単です。すでにラグやカーペットを敷いているなら、その下に下敷き用マットを足すのが、費用も見た目も大きく変えずに済む方法でしょう。
床がむき出しのフローリングで、部屋全体を対策したいならタイルカーペット。食べこぼしや飲みこぼしが多い時期でも、汚れた所だけ洗えます。
ジョイントマットをすでに敷いている家なら、その下に下敷き用マットを入れる手もあるでしょう。足音マットは、ジョイントマットの下にも敷けると案内されています。
費用は、覆う広さと厚さでほぼ決まります。手持ちのラグの下に足すだけなら少ない量で済み、厚手のタイルで部屋全体を覆うほど高くなる、という順番。6畳に使う量の目安は、4商品を比べた表にまとめました。
価格は日によって変わるので、注文の前にリンク先の商品ページで確かめてください。まずは走る通り道と跳ぶ場所の分だけ買い、足りなければ足していくやり方なら、無駄が出にくくなります。
重ね敷きと敷く範囲の目安
敷く場所は、子どもの動きに合わせて決めるのが基本。国土交通省のハンドブック「共同住宅で快適に暮らすための音への気づきと工夫」でも、子どもが走ったり跳んだりする場所にラグやマットを敷くとよいとされています。
優先したいのは、廊下や玄関へ走り抜ける通り道、ソファやベッドの前の飛び降りる場所、おもちゃで遊ぶコーナー。マットとマットの間にすき間があると、そこに足が着いたときの衝撃はそのまま床に伝わります。
広さの目安として、MUTEは床面積の7割以上を覆うと効果が高まると案内しています。予算が許すなら、部分敷きより部屋全体に近づけるほど安心でしょう。
重ね敷きは、下敷き用マットの上にラグやタイルカーペットを重ねる形が基本です。軽い音はさらに下がりやすくなるはず。ただ、重ねたときの性能は組み合わせごとに試験しないと分からないため、メーカーの案内を目安にしましょう。
重ねて敷いても「ここなら跳んでいい」にはしない
厚いマットを重ねても、跳ぶ・飛び降りる重い音は下の階に届きます。体を思いきり動かす遊びは、公園や児童館に回すほうが確実です。
賃貸の床に敷くときに気をつけたいこと

賃貸では、マットが床を傷めないかにも気を配りたいところ。退去のときに困らないよう、床の変色とカビ、ドアや床暖房との相性、安いマットで足りるかを順に見ていきます。
床の変色・カビを防ぐ敷き方と手入れ
まず気をつけたいのが、床の変色。ある床材メーカーの取扱説明書では、ゴム製品や滑り止めつきマットの裏面の成分が床に移り、変色やつやの変化を起こすおそれがあるとされています。
すべり止めのあるマットを敷くなら、床材の説明書やマットの注意書きで、使える床かどうかを先に確かめておきましょう。床材がわからないときは、管理会社に聞いてみるのも手です。
次に湿気。マットを敷きっぱなしにすると、下に湿気がこもってカビの原因になることがあります。足音マットの販売元も、湿気の多い場所ではときどき換気と拭き掃除をするよう案内しています。
退去のときの負担を考えるうえで目安になるのが、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」。家具を置いたことによる床のへこみは、貸す側の負担とされています。
一方、手入れ不足によるカーペットのシミやカビは、借りる側の負担になる例として挙げられています。ガイドラインは法律ではなく、最終的には契約書の内容で決まるので、特約の欄も一度見ておきましょう。
ドア・床暖房・掃除で困らないための確認
厚いマットで意外と困るのが、ドアです。ドアの下のすき間よりマットのほうが厚いと、開け閉めのたびに引っかかります。上に敷くラグの厚さも足して、敷く前にすき間を測っておきましょう。
床暖房のある部屋なら、使えるかどうかを必ず確かめます。比べた4つでも、山善の防音マットは床暖房に対応、足音マットは床暖房との併用をすすめていない、MUTEは60℃未満なら使える、と扱いが分かれていました。
掃除のしやすさも、続けられるかどうかに関わるところ。静床ライトや足音マットは洗えると案内されていますが、大きなラグを丸ごと洗うのは大変です。
マットの端でつまずかないよう、見切り材で段差をなだらかにしておくと、小さな子どもも歩きやすくなるでしょう。
注文する前に確かめておくこと
ドアの下のすき間と、マットの厚さ(上に敷くラグも足した厚さ)
敷きたい場所の縦と横の長さ(何枚・何セット要るか)
床暖房の有無と、床材の種類(契約書や管理会社で確かめる)
ニトリや100均のマットで足りるかの見分け方
「ニトリのフロアマットは防音になる?」「100均で代わりにならない?」と気になる人も多いようです。見分けるポイントは、どの店かではなく、商品ページに等級が書かれているかどうか。
ニトリにも「防音」をうたうタイルカーペットやカーペットがあります。等級や試験の条件が書かれていれば、この記事の比べ方で見られます。書かれていなければ、厚さや「防音」という言葉だけで判断しないほうがいいでしょう。
100円ショップの薄いマットやフェルトは、足音そのものより、椅子の脚に貼って引きずる音を減らす使い方が向いています。国土交通省のハンドブックでも、椅子や机の脚にクッションシールを貼る工夫が紹介されていました。
ジョイントマットも同じで、「防音」とあっても等級の表示がないものは、どれくらい音が下がるのか比べようがありません。Q&Aサイトでも、薄いジョイントマットだけでは足りないという回答が見られました。
買う前に確かめたい疑問

最後に、防音マットを選ぶときによく出てくる疑問に答えます。効き目の限界や声の音、敷く範囲など、買ってから「思っていたのと違う」となりやすい点を中心にまとめました。
防音マットのよくある質問
防音マットは子どもの足音に本当に効果がありますか?
かかとで歩く音や物を落とす音のような軽い音は、等級に応じて下がります。一方、走る・跳ぶ重い音は床そのものが揺れるため、厚いマットでも和らげる程度です。跳ぶ場所と時間のルールや家具の置き方を組み合わせると、下の階に届く音を減らしやすくなります。
防音マットで声やテレビの音も防げますか?
防げません。声やテレビの音は空気を伝わる音で、床のマットが下げるのは床を伝わる音です。メーカーも、話し声やテレビの音は対策できないと書いています。窓を閉める、寝る部屋を隣と接していない側にする、といった別の工夫が向いています。
防音マットはどこまで敷けばいいですか?
まずは子どもが走る通り道と、跳ぶ・飛び降りる場所からです。すき間があるとそこから衝撃が伝わるので、つなぎ目なく敷きましょう。床面積の7割以上を覆うと効果が高まると案内しているメーカーもあり、予算が許せば部屋全体に近づけるほど安心です。
「LL-35」と「ΔLL-6」はどちらが良いのですか?
LL-35は古い表し方、ΔLL-6は2008年からの表し方で、メーカーはおおむね同じ水準として並べて書いています。LLは数字が小さいほど、ΔLLは数字が大きいほど良いという逆の向きです。古い表示しかない商品は、LL-45がΔLL(I)-4の目安と覚えておくと比べやすくなります。
まとめ:防音マットは等級を見て走る場所から敷く
子どもの足音に使う防音マットは、「最強」などの言葉ではなく、ΔLL(またはLL値)の等級で選ぶのが近道です。目安はΔLL(I)-4以上、古い表示ならLL-45か、それより小さい数字。
手持ちのラグがあるなら下敷き用マット、部屋ごとならタイルカーペット、費用をかけられるなら厚手のタイルや重ね敷き。どれを選んでも、走る通り道と跳ぶ場所からすき間なく敷くことが、効き目を左右します。
そして、走る・跳ぶ重い音はマットだけでは消しきれません。遊び方や時間のルール、下の階への一言と組み合わせて、無理なく続けられる形を探してみてください。